Non Titled

non-titled

元気かい?
もうずいぶん長いことキミに会っていないような気がするな。

まあ元気なわけはないよな
いつもキミはそばに居るけれど

それは感じるだけで
決して会ったり話したりしているわけじゃあない

あれからどれくらい経ったのだろう?
もう随分と年月を跨いできた気がするけどどうだっけ?

ある時間は止まったままだ
もちろん普通に時は流れているけれど

なんだか大きなのっぽの古時計の中で
振り子に跨っているかのようだ

それだと時は知らないうちに流れていたとしても
ボクにはそれを感じることが出来ないのだからね

残念だけれど
キミの方で思い出してほしい

ちょっとしたエア・ポケットみたいな瞬間に
こっそりと抜け出してしまうなんてちょっとズルかったよね

でも良く考えてみたら
静かに信号は発信されていた

それにボクは気付いていたのかもしれないし
気付いていないフリをしていただけなのかもしれない

ボクは何度もキミに訊ねようと思っていたんだ
ボク自身ではなくキミにだよ

でもそれはもう叶いっこないことだった
だから何回も何回もボク自身に訊かなければならなかった

でもそれでは何も解決しないし
たとえ解決したかのように思えても必ずまたそれは頭を擡げるものだ

きっとね
そういうものだ

ボクは昔から
考えることには慣れていない

考えると悪い方にばかり考えるし
良い風に考えても結局出口は悪いことになる

そして考えることで
状況は更におかしな方向に向かってしまう

それにボクには想像力に欠けているから
考えても新たな可能性が生まれないんだ

もっとももっと想像力があれば
わざわざ考える必要もないことなのかもしれない

だって自分の想像した世界で
何とでも出来るはずだからね

でもまあこれって当然ながら
ただのボク自身の個人的意見でしかない

想像の世界の中で生きていくなんて
どだい無理なことなのかもしれない

今は随分とフワフワしている
頭がボーっとしている

まるでもうそれは
ボクじゃあないみたいだ

ボクの身体も
ボクの身体ではないみたいだ

今透き通った風が吹いている
誰かの身体みたいに透き通った風だ

誰かの身体みたいに
スーッと何処かへ流されていく

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