時間が経つといろいろな可能性がゼロになることもあれば考えもしなかった可能性が現実になることだってある

ビートルズ・フェスティバル・パンフレット

ビートルズ・フェスティバルのパンフレット

部屋を片付けることは、
ある意味自分遺跡の発掘作業みたいなものだ。

掘っていると時の彼方に置いてきた宝物を発見することがあって、
それは思わぬ場所から出てきたりする。

例えば、
先日見つけた『ビートルズ・フェスティバル』のパンフレットなんかがそうだ。

中を見ると、
なんと昭和51年発行となっている。

昭和51年!?
西暦で何年だっけ?そうだな1976年だ。

それって、
今からもう45年も昔のことだ。

価格も載っていて、
200円。

正直なところいつどこに見に行ったのか?の記憶が抜け落ちているのだが、
行ったことだけは間違いがない。

わざわざ行ってもいないのに、
こんなパンフを買うわけがないのだ。

それで表紙には、
こうある。

  • THE BEATLES Let it be
  • ビートルズ ヤァ!ヤァ!ヤァ!
  • THE BEATLES HELP !
  • ビートルズ・イエローサブマリン

中身もそれぞれのフィルムの解説だから、
ビートルズ映画豪華4本立てだったんだろう。

これをぶっ続けで見たんだとしたら、
それはそれでなかなか楽しかったに違いない。

今と違って動くビートルズを見ることができるなんて、
こういう機会しかなかったんだから。

パンフレットにはビートルズの年表があって、
最後の記載は1975年5月。

ジョージの来日が噂される。
又、
アップル閉鎖後、
ビートルズはEMIから、
ポールはキャピトルと契約、
ジョージはA&M、
リンゴはポリドールと契約予定。
ジョンについては未定。

―『ビートルズ・フェスティバル』パンフレット

今にして思えば、
その頃はまだジョン・レノンもジョージ・ハリスンもちゃんとこっち側にちゃんといたんだな。

だいたいビートルズが法的に解散したのは1971年のことだから、
それからまだ5年しか経ってない時だ。

ジョンはショービズの世界から離れて、
ヨーコと生まれたばかりのショーンと共にダコタハウスに住んでいた。

ポールはウイングスを率いて、
全米ツアーの最中だった頃だ。

この時2人がダコタハウスで会ったエピソードは有名で、
その出来事はTV映画『Two of Us』にもなっている。

結局この頃はまだビートルズ再結成のチャンスがあった、
ということだ。

実際、
まことしやかに再結成の噂は毎年のように流れていた。

いかにも実現しそうな勢いで報道されては、
いつのまにか消滅していた。

でも、
可能性はあったのだ。

1%だったのか99%だったのかはわからないけれど、
0%ではなかったことだけは間違いない。

でも、
当たり前だが今はもうその可能性は100%ない。

全くの、
『0』だ。

どうにもならないことって、
確かにあるのだ。

アビー・ロードの横断歩道

アビー・ロード

殆ど記憶に残っていない『ビートルズ・フェスティバル』から10年経った頃、
ボクはイギリスのアビー・ロードを訪れていた。

スペインからの帰り、
乗り継ぎでロンドンに1泊することなった際に時間をつくってやっとのことで訪れたのだ。

もちろん訪れた時は、
誰もがやるようにボクもあの横断歩道を渡った。

ビートルズの4人が一列で渡った、
あの有名な横断歩道だ。

カメラマンのイアン・マクミランが脚立の上でバランスを取りながらカメラを構え、
警察官が信号を操作して交通を遮断している間に3往復したところ。

このときに撮影された写真は6枚、
5枚目がアルバム『Abbey Road』のジャケットに使用された。

1976年時点では、
ボクにはそんなことになるなんて想像もつかなかった。

そんな可能性は『0』、
と思っていた。

でも1986年、
あの横断歩道をボクは渡っていたのだ。

もちろん、
ジョンはもうこっちには居なかった。

でもその夜はウェンブリー・カンファレンス・センターのオノ・ヨーコのライブに行って、
ジョンのことを想いながら『Give Peace a Chance』を一緒に唄っていた。

確か1日ズレていたらポリスのライブがあって、
かなり残念な気分でウェンブリーに向かったことを覚えている。

でもまあ今になってみれば、
それはそれでビートルズな1日だったんだなと良い思い出になっている。

可能性は伸びたり縮んだりするもの

時計

時間が経つと、
あったはずの可能性がすっかり消えてしまっていることがある。

どう足掻いても、
実現不可能なことが増えてくる。

仕方がないことだけど、
それをなかなか受け入れられなかったりずっと後悔しっぱなしになることだってある。

ただ逆に、
想像もしていなかった可能性が現実になることだってあるのだ。

そう、
そんなものだ。

可能性ってやつは、
伸びたり縮んだりするものなのだ。

そしていつの間にか軽やかに実現していたり、
すっかりゼロの錘だけが残っていたりする。

だから『可能性が伸びたり縮んだりする』ということを忘れずに、
タイミングを見計らって失わないように物事の判断をしていかなければならないのだ。

最近は、
そんな気がする。

The Beatles – The Long One

さて、
曲はもちろんThe Beatles。

1969年リリースの4人がバンドとして共にレコーディングした最後のアルバム、
『Abbey Road』の50周年記念エディションに収められた『The Long One (Trial Edit & Mix – 30 July 1969)』。

~The Long One~
 You Never Give Me Your Money
 Sun King
 Mean Mr Mustard
 Her Majesty
 Polythene Pam
 She Came In Through The Bathroom Window
 Golden Slumbers
 Carry That Weight
 The End

これは『Her Majesty』が途中に出てくるのがポイントなんだろうけど、
何十年も聴いてきているからだろうか?やはり違和感はある。

結局は最終のオリジナルの方が良いのは…
まあ当たり前か。

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