村上春樹『ノルウェイの森』始まりの音楽-Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

ノルウェイの森

100パーセントの恋愛小説

バブル時代の幕開けの1985年の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』出版から2年後の1987年、
バブル真っ只中に書き下ろし作品として上下二分冊で出たのが『ノルウェイの森』だ。

これがまた売れに売れて、
1,000万部を超えている。

『これは100パーセントのリアリズム小説です』と書きたかったところを、
『100パーセントの恋愛小説』としたご本人のキャッチコピーや赤と緑のクリスマスカラーの装丁がこの大ヒットに一役買っているのは間違いがない。

でも実際に読んでみて、
今まで村上作品を読んでこなかった人たちはいったいどう思ったんだろう?

好きになった人もいれば、
何だかわからないで終わった人たちも多かったに違いない。

今まで読んでいた人も、
明らかにラインが違うことで少し距離を置いた人もいるだろう。

まあいろんな意味で、
1つの分岐点になった作品なんだろう。

『ノルウェイの森』を書くときに僕がやろうとしたことは三つある。
まず第一に徹底したリアリズムの文体で書くこと、
第二にセックスと死について徹底的に言及すること、
第三に『風の歌を聴け』という小説の含んだ処女作的気恥ずかしさみたいなものを消去してしまう「反気恥かしさ」を正面に押し出すこと、
である。

村上春樹-村上春樹全作品1979~1989⑥ノルウェイの森-自作を語る

であり、

この話は基本的にカジュアルティーズ(犠牲者たち)についての話なのだ。
それは僕のまわりで死んでいった、
あるいは失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話であり、
あるいは僕自身の中で死んで失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話である。

村上春樹-村上春樹全作品1979~1989⑥ノルウェイの森-自作を語る

なのだ。

装丁とキャッチコピーに惹かれただけの人には、
少しばかりヘヴィーだったかもしれない。

ちなみにボクは、
この赤と緑の本を今は持っていない。

ただ『村上春樹全作品1979~1989⑥ノルウェイの森』があるので、
いつでも読むことはできる。

それにしても、
あったはずなのにいつの間にか消えている本が何冊かある。

本棚がどこか別の場所に繋がっていて、
いつの間にか消えていってしまっているようだ。

消える基準はちょっとわからないけれど、
消えた事実は真実だ。

The Beatles – Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

そんなわけで、
始まりの音楽はもちろんビートルズの『Norwegian Wood (This Bird Has Flown)』。

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