ハチャトゥリアンの『ヴァイオリン協奏曲 二短調』

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7曲目は3枚のレコード

村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
7曲目はハチャトゥリアンの『ヴァイオリン協奏曲 二短調』。

本文にもあるが、
この曲はレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』の中に登場する。

フィリップ・マーロウが、
トラクター工場のろくでもない緩んだファン・ベルトみたいだと言った曲。

この曲はまだジダーノフ批判をハチャトゥリアンが受ける以前の、
1940年の作曲だ。

ちなみにジダーノフ批判はソビエト連邦共産党中央委員会が、
芸術や文化の諸分野に対して行ったイデオロギーの統制・強化の動きのことで1948~10年間続くことになる。

アルメニア民族色に満ちたこの名作は、
初演を担ったヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフに献呈されている。

構成

オイストラフはヴァイオリン・パートに関して助言を行っている上に、
ハチャトゥリアンとは別に自身でカデンツァも作っている。

第1楽章 アレグロ・コン・フェルメッツァ ニ短調 4/4拍子 ソナタ形式
第2楽章 アンダンテ・ソステヌート イ短調 3/4拍子 三部形式
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ ニ長調 3/8拍子 拡大されたロンド形式

ダヴィッド・オイストラフ

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1枚目はそのオイストラフ(David Oistrakh)がヴァイオリンで、
指揮を作曲者本人のハチャトリアンが務めている。

オーケストラは今でいうP・I・チャイコフスキー記念交響楽団、
モスクワ放送交響楽団。

これより10年前の1955年のもので、
指揮とヴァイオリンは同じでオーケストラだけフィルハーモニア管弦楽団のレコードもある。

聴き比べると、
これはこれで面白い。

それにしてもオイストラフのヴァイオリンは、
本当に気持ち良くきれいな音で歌う歌う。

ドヴィ・エルリー

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2枚目はドヴィ・エルリー(Devy Erlih)のヴァイオリン、
セルジュ・ボド指揮のセントソリ管弦楽団のもの。

エルリーは1984年から約6年の間に、
桐朋学園などで指導者として活動したことがあって日本音楽界に少なからず影響を与えている。

それにしてもオイストラフとは全く違っていて、
とても熱を感じる音だ。

ルッジェーロ・リッチ

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3枚目はルッジェーロリッチ(Ruggiero Ricci)のヴァイオリン、
アナトール・フィストゥラーリ指揮のロンドンフィルハーモニー管弦楽団。

パガニーニの難曲、
『24の奇想曲』の世界初の全曲演奏レコードをリリースした人。

10歳の時にサンフランシスコでデビューして神童は、
そのまま素晴らしいヴァイオリニストとして80年近く活躍している。

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