フォーレの『レクイエム 二短調 作品48』

村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
6曲目はフォーレの『レクイエム 二短調 作品48』。

フォーレの中期の作品で、
モーツァルトとラヴェルのレクイエムと合わせて3大レクイエムなんて呼ばれ方をしている。

マドレーヌ寺院での第一稿の初演では、
『死の恐ろしさが表現されていない』と評されてしまったようだ。

ただ本人は『死はは苦しみというよりむしろ永遠の至福の喜びに満ちた開放感に他なりません』、
ということらしい。

確かに聴いているととても安らかな気持ちになるし、
演奏によってはかなり感動的な作品だ。

ここでは、
6枚のレコードが紹介されている。

構成

曲の構成は7つにわかれていて、
こんな感じ。

第1曲:Introït et Kyrie(イントロイトゥスとキリエ:入祭唱とキリエ)二短調
第2曲:Offertoire(オッフェルトリウム:奉納唱)ロ短調
第3曲:Sanctus(サンクトゥス:聖なるかな) 変ホ長調
第4曲:Pie Jesu(ピエ・イェズ:慈愛深いイエスよ) 変ロ長調
第5曲:Agnus Dei(アニュス・デイ:神の小羊) へ長調
第6曲:Libera me(リベラ・メ:我を救いたまえ)二短調
第7曲:In Paradisum(イン・パラディスム:楽園へ)ニ長調

アンドレ・クリュイタンス1962年盤

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1枚目は1962年のもので、
アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens指揮。

演奏はパリ音楽院管弦楽団、
合唱はエリザベト・ブラッスール合唱団。

オルガンは、
アンリエット・ピュイグ=ロジェ。

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ と、
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスという最高級の歌手が加わっている。

アンドレ・クリュイタンス1950年盤

2枚目もクリュイタンス指揮、
サン・トゥスタッシュ​管弦楽団/合唱団。

ソプラノがマーサ・アンジェリッシで、
バリトンがルイス・ノゲラ。

そして、
オルガンがモーリス・デュリュフレ。

1962年盤は知れ渡っているけど、
こちらの1950年盤の素朴な味わいの方が曲の本質を突いているという評価もある。

ナディア・ブーランジェ

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ナディア・ブーランジェ(Nadia Boulanger)は14歳でフォーレの弟子となり、
16歳でフォーレの代理としてマドレーヌ寺院のオルガンを任されている。

女性指揮者の先駆けでもあるし、
多くの名音楽家が彼女の元から生まれていてまさに20世紀音楽の功労者といえるだろう。

そのブーランジェが、
1948年に指揮したのが3枚目のレコード。

オーケストラと合唱団の記載がレコードにないが、
パリ放送大管弦楽団と合唱団なのではないかな?

オルガンはモーリス・デュルフレ、
ソプラノはジゼル・ペイロンでバリトンはドーダ・コンラート。

ブーランジェのレクイエムはこの元々SP録音の他に、
1962年のニューヨーク・フィルハーモニックとのライブと1968年のBBC交響楽団とのものがある。

1962年のものは特に素晴らしく、
1948年のものがSpotifyでは見つからないのでこちらを貼っておく。

ソプラノはレリ・グリストでバリトンはドナルド・グラム、
オルガンはヴァーノン・デ・タールで合唱はコラール・アート・ソサエティ。

デイヴィッド・ウィルコックス

4枚目はデイヴィッド・ウィルコックス(David Willcocks)指揮、
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団。

そもそもウィルコックスは合唱指揮者だから、
これはコーラスがまさに主役。

ボーイ・ソプラノはロバート・チルコットでバリトンはジョン・キャロル・カース、
オルガンはジョン・ウェルスで合唱はケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団。

ソプラノを使わずボーイ・ソプラノを使っているところが、
ここまでと違うスタイルなんだけど心に染みる。

エミール・マルタン

5枚目は1965年録音のエミール・マルタン(Émile Martin)、
サン・トゥスタッシュ管弦楽団と合唱団。

ソプラノはアン・マリー・ブランザでバリトンはピエール・モレ、
オルガンはジャン・ギユー。

マルタンは1944年にサントゥスタッシュ合唱団を創設して、
その合唱指揮者を務めていた。

管弦楽のコントロールがあまりうまくいっていない感じもあるが、
参加する全員が一所懸命取り組んでいるイメージは伝わる。

エルネスト・アンセルメ

最後は1960年エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet)指揮、
スイス・ロマンド管弦楽団。

ソプラノはシュザンヌ・ダンコでバリトンはジェラール・スゼー、
オルガンはエリックシュミットでトゥール・ド・ペイルス合唱団。

合唱が酷いという意見が随分多いんだろうけど、
ひたむきさとかが伝わるという意味ではこの曲にはむしろ相応しいのではないだろうか?

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