ベートーヴェンの『ヴァイオリン・ソナタ第5番 「春」へ長調 作品24』

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4楽章編成になった最初がこれ

村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』13曲目は、
ベートーヴェンの『ヴァイオリン・ソナタ 第5番 「春」 へ長調 作品24』。

これまでは3楽章の構成だったけれど、
この5番で初めて4楽章構成に。

そして『急—緩—スケルツォ—急』と、
ある意味交響曲的な楽章編成になっている。

これまでのピアノが先に旋律を奏して、
それにヴァイオリンが追従していくスタイルからの変化が見られる作品。

4枚なんだけど6枚

ここではジャケットの写真が4枚載せられているけど、
実際に紹介されているのは6枚。

・ヘンリク・シェリング/アルトゥール・ルービンシュタイン
・ジノ・フランチェスカッティ/ロベール・カサドゥシュ
・ヤッシャ・ハイフェッツ/エマニュエル・ベイ
・アドルフ・ブッシュ/ルドルフ・ゼルキン
・ダヴィッド・オイストラフ/レフ・オボーリン
・アーロン・ロザンド/アイリーン・フリッスラー

構成

第1楽章 アレグロ ヘ長調
    4分の4拍子
    ソナタ形式
第2楽章 アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ
    変ロ長調
    4分の3拍子
    三部形式(または変奏曲形式)
第3楽章 スケルツォ:アレグロ・モルト
    ヘ長調
    4分の3拍子
第4楽章 ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
    ヘ長調
    2分の2拍子
    ロンド形式

シェリング(Szeryng)/ルービンシュタイン(Rubinstein)

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ヴァイオリンはヘンリク・シェリング(Henryk Szeryng)、
ピアノはアルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein)。

ここで紹介されているレコードでは、
前出の『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」イ長調作品47』のカップリング。

なので、
ここでも『溌溂とした、気品ある、偉そうなところに収まっていない演奏』という感想らしい。

フランチェスカッティ(Francescatti)/カサドゥシュ(Casadesus)

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ヴァイオリンはジノ・フランチェスカッティ(Zino Francescatti)、
ピアノはロベール・カサドゥシュ(Robert Casadesus)。

フランチェスカッティの本名はルネ=シャルル、
37歳までフランスで生まれ育ってニューヨークに移住している。

シェリング/ルービンシュタインよりも『より軽やかで柔軟な姿勢の演奏』、
ドイツ系というよりはフランス系寄りだけど『違和感は全くない』ということらしい。

カップリングも同じベートーヴェンの3番・4番も『素晴らしい』と出てきているので、
それも一緒に。

ハイフェッツ(Heifetz)/ベイ(Bay)

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ヴァイオリンはヤッシャ・ハイフェッツ(Jascha Heifetz)、
ピアノはエマニュエル・ベイ(Emanuel Bay)。

確かに『クロイツェル』よりも聴きやすい演奏になっている気がするけど、
同じベートーヴェンでもこうも違うのだな。

ピアノが違うからということももしかしたらあるかもしれないが、
まあ同じベートーヴェンとはいえ曲調が違うからね。

ブッシュ(Busch)/ゼルキン(Serkin)

レコードではないのでジャケットの写真は載せなかった、
という1枚が出てくる。

ヴァイオリンはアドルフ・ブッシュ(Adolf Busch)、
ピアノはルドルフ・ゼルキン(Rudolf Serkin)。

ゼルキンはブッシュの娘でヴァイオリニストのイレーネ・ブッシュと結婚しているから、
ブッシュはゼルキンの義父にあたる。

ゼルキンとイレーネの間に生まれたのが、
同じピアニストのピーター・ゼルキン。

オイストラフ(Oistrakh)/オボーリン(Oborin)

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ヴァイオリンはダヴィッド・オイストラフ(David Oistrakh)、
ピアノはレフ・オボーリン(Lev Oborin)。

オボーリンはモスクワ音楽院でアシュケナージなどの優秀な人材を世に送り出している一方、
オイストラフとはクヌシェヴィツキーと共にオイストラフ三重奏団を結成して国際的名声を得ている。

この2人の演奏は『クロイツェル』の方がより深く心を打つと書いているが、
なぜかそちらには出さずこちらで出しているのだ。

ロザンド(Rosand)/フリッスラー(Flissler)

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ヴァイオリンはアーロン・ロザンド(Aaron Rosand)、
ピアノはアイリーン・フリッスラー(Eileen Flissler)。

攻撃的な演奏と評されているこの曲と、
またもや『クロイツェル』。

結局『クロイツェル』の演奏は、
5枚にプラス3枚になるわけだ。

対話というより喧嘩を売っている感じで最後まで聴き通すのが骨と書かれているが、
場合によってはこちらを聴きたくなる時もある。

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