村上春樹『羊をめぐる冒険』始まりの音楽 – 『羊をめぐる冒険』

羊をめぐる冒険

専業作家としての最初の作品

さて、
村上春樹3つ目の長編は1982年の『羊をめぐる冒険』。

ここでも表紙は、
佐々木マキ氏。

これと1つ前の『1973年のピンボール』の間に書かれたのが
短編集『中国行きのスロウ・ボート』に収められている作品。

そう『貧乏な叔母さんの話』と『ニューヨーク炭鉱の悲劇』、
そして『カンガルー通信』だ。

なので『カンガルー通信』が副業作家時代の最後の作品で、
この『羊をめぐる冒険』が専業作家になってからの最初の作品になる。

短編集に入っている『午後の最後の芝生』、
それと『土の中の彼女の小さな犬』・『シドニーのグリーン・ストリート』はその後の作品。

専業作家になったことで、
ここから急に作品は拡がりを見せる。

前2作で芥川署候補にはなって結局は受賞しなかったけど、
この作品は第4回野間文芸新人賞を受賞している。

この1回前の第3回受賞作は、
村上龍の『コインロッカーベイビーズ』だ。

この作品は、
レイモンド・チャンドラーの長編小説『長いお別れ』を下敷きにして書いている。

そして『コインロッカーベイビーズ』に触発され、
専業作家となりこれを書き始めたらしい。

João Hasselberg – A Wild Sheep Chase

ところでジョアン・ハッセルベルク、
2013年のアルバムに『Whatever It Is You’re Seeking Won’t Come In The Form You’re Expecting』というものがある。

これって、
村上春樹『海辺のカフカ』の英訳に出てくる言葉からとったんだろうか?

「でもあえて言うなら、こういうことになるだろうね。そのなにかはたぶん君が求めるときに、求めるかたちではやってこないだろう

村上春樹―海辺のカフカ-第17章(P266)

そして『羊をめぐる冒険』の英訳タイトルは『A Wild Sheep Chase』なんだけど
このアルバムにはズバリそのタイトルの曲が収められている。

今回はこの曲を、
始まりの音楽ということで。

『羊をめぐる冒険』で流れる音楽たちはこちら!

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