村上春樹『カンガルー日和』始まりの音楽 – ザ・カンガルー

カンガルー

『カンガルー日和』は短編集ではないらしい

1983年に佐々木マキの表紙で刊行された村上春樹の本といえば『羊をめぐる冒険』なんだけど、
この『カンガルー日和』も実はそうだ。

作者本人はこれを短編集とは呼ばないらしいが、
まあそうはいっても『村上春樹全作品1979-1989 5 短編集』に入っている。

ただその中に付録的についている『自作を語る』には、
こんなことが書かれている。

これは小説に近いけれど、小説からは(少なくとも小説として考えられるものからは)ちょっと離れた場所で成立しているものである。

村上春樹-「自作を語る」-補足する物語群

まあこれが短編小説集であろうと、
短編小説に近い短い文章集であろうとどちらでも良い。

『カンガルー日和』は 『中国行きのスロウ・ボート』と同時期作品

でこの作品集は、
伊勢丹主催のサークルが会員に配る『トレフル』という雑誌に連載されていたもの。

時期的には『1973年のピンボール』の後に書いたもので、
この年の5月に出版された『中国行きのスロウボート』からは4カ月遅れての発売。

どちらも書かれた時期は、
ほとんど同じような頃。

先ず『中国行きのスロウ・ボート』の作品たちの初出は、
こんな感じ。

・中国行きのスロウボート
 …『海』1980年4月号

・貧乏な叔母さんの話
 …『新潮』1980年12月号

・ニューヨーク炭鉱の悲劇
 …『BRUTUS』1981年3月号

・カンガルー通信
 …『新潮』1981年10月号

・午後の最後の芝生
 …『宝島』1982年9月号

・土の中の彼女の小さな犬
 …『すばる』1982年11月号

・シドニーのグリーン・ストリート
 …『海』臨時増刊「子どもの宇宙」1982年12月号

それで『カンガルー日和』の 作品たちの初出は、
こんな感じ。

・五月の海岸線
 …1981年4月号

・スパゲッティーの年に
 …1981年5月号

・四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に会うことについて
 …1981年7月号

・眠い
 …1981年8月号

・かいつぶり
 …1981年9月号

・カンガルー日和
 …1981年10月号

・32歳のデイドリッパー
 …1981年11月号

・タクシーに乗った吸血鬼
 …1981年12月号

・彼女の町と、彼女の緬羊
 …1982年1月号

・サウスベイ・ストラット-ドゥービーブラザーズ「サウスベイ・ストラット」のためのBGM-
 …1982年2月号

・あしか祭り
 …1982年3月号

・1963/1982年のイパネマ娘
 …1982年4月号

・バート・バカラックはお好き?
 …1982年5月号

・図書館奇譚・1
 …1982年6月号

・図書館奇譚・2
 …1982年7月号

・図書館奇譚・3
 …1982年8月号

・図書館奇譚・4
 …1982年9月号

・図書館奇譚・5
 …1982年10月号

・図書館奇譚・6完結編
 …1982年11月号

・駄目になった王国
 …1982年12月号

・チーズケーキのような形をした僕の貧乏
 …1983年1月号

・鏡
 …1983年2月号

・とんがり焼の盛衰
 …1983年3月号

そんなわけで、
時期はほぼ重なっている。

なぜか見つからない『カンガルー日和』

元々ボクは文庫で持っていたはずなんだけれど、
何故か何度も本棚を探しても見つからない。

でも『村上春樹全作品1979-1989 5 短編集』があるので問題はないが、
間違いなくあったはずなのにいったいどこへ消えてしまったのだろう?

ただふと思いもかけないところから出てくるかもしれない、
しかも意外なところからだ。

Les Paul & Mary Ford – The Kangaroo

始まりの音楽は作品の中に全く出てこないし、
今後もきっと出てくるとは思えないがこの曲。

ギブソン・レスポールの生みの親であるレス・ポールと、
マリー・フォード。

1953年のシングル『Don’cha Hear Them Bells』のB面、
『The Kangaroo』だ。

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